うちの店では2週間に一度無茶苦茶忙しい日がある
金曜日は精神科の特殊外来があり、多くの患者さんが来るからだ。それにも増して忙しいのは、ほとんどが薬の一包化をしなければならないことだ。 一包化とは、朝、昼、夕など飲む時間ごとに薬をひとつの袋に入れておくことだ。
確かに、お年寄りなど薬をたくさん飲んでいる人は、時間を間違いなく飲むことは大変だ。そこで、飲む時間ごとに薬をまとめて一袋に入れておけば、何も考えずに指定した時間に薬が飲める。
でもよく考えてほしい。その「何も考えずに」が問題なのだ。
一包化をすれば、今自分がどんな薬を飲んでいるのかが全く分からなくなる。つまり、処方された薬をそのまま信じて飲むしかない。もしかして、今の自分の状態では全く不適切な薬を飲んでいるかもしれないのだ。言い換えれば、患者さんの飲む薬を選ぶ権利を奪っていると言うこともできる。
だが、医療関係者(薬剤師でも)は、少しでも薬の飲み方がおかしいと考えると、容易に一包化にしようとする。
その行為に何の疑問も持たない。
皆さんは、あまりにも出された薬を信用しすぎる。もう少し、薬に関心を持ち、今自分がどんな薬を飲んでいるのか、個々の薬にどんな作用があるのか、知ってほしい。薬を別の人に飲ましている介護関係者の皆さんにも当てはまる。どんな薬を飲ませているのかもう少し関心を持ってほしい。
その関心の低さが、容易に薬の一包化に向かわせるのではないか、とも思ってしまうのである。
皆さん、薬を飲むときは、それぞれ何の薬か意識してから、口に入れよう
そうすれば、薬の副作用の大部分は防げる。そして、そのためには、薬の一包化を容易に許してはならないのである。